日雇い救世主の見聞録(1) “すばやさ”がカンストしたおっさん、異世界救済スピードランに挑む

著者/津田夕也 イラスト/Asura

『日雇い救世主(メシア) 募集中!』


 そんな奇妙な求人広告が貼られた、とあるファミレスでの閑談の席にて。

 36歳フリーター、仲道狂太郎は、突如として奇妙な空間に放り出されていることに気付く。


――電子ゲームをパロディ化したような世界。

――強力な各種”スキル”の習得。

――その目的は、人類の救済。


 なるほど、WEB小説”あるある”そのものの体験だ。

 だが、近隣の集落で情報を集めるにつれ、驚くべき事実が発覚する。


――どうもここの連中、食事を摂らないらしい。


 どうやらこの世界の創造主、ゲーム的な演出を重視するあまり、人類の生態を少々、常軌を逸した感じにしてしまったらしい。


 いま狂太郎の胃の中にあるのは、お昼に食べたミラノ風ドリアのみ。


 もはやこの世界、一秒たりとも長居してはいられない。

 遅くとも夕飯までには戻らねば。

 焦る仲道狂太郎は、怒濤の勢いで世界の救済を目指すのだった。

2021年6月26日発売

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